支援者 支援職を守るということ ② 災害 台風19号
台風15号、19号及び震災等で被災された方々のことを心から思います。亡くなられた方には哀悼の意を表します、何らかの損害を負われた方々には、支援の手がありますように祈るばかりです。
その上での話しですが、台風であろうが、震災であろうが、公務員、医療関係者、福祉関係者、インフラに携わる関係者等は、仕事に行く必要があります。
今回の台風19号の中でも、福祉関係者は自らの被災の危険性があろうが、利用者さんの支援のために出勤します。特に24時間支援する支援者はそうです。
私の家族もホームヘルパーのために台風の中、出勤しました。
台風が接近しているのがわかっていたので、私は家族に会社に言って、仕事休んだらと言いましたが、出勤していきました。ただ、家内の勤務する会社側が配慮して、台風接近前に仕事が終わるようにはしてくださいましたが。
私自身は、24時間対応しなければいけないことや災害であろうが出勤しなければならない福祉関係の仕事は選びません。
この低待遇で何も保証がない中で、出勤、対応はできないです。ただ、では待遇が保証されたら危険を顧みず出勤できるかといえば、検討するとしか言いようがないですが。
実際に関東の特別養護老人ホームが冠水して、救助されるということが起きました。
職員、利用者さんは上層階に避難して、難を逃れて救助を待ったということですが、
仮に、職員、利用者さんとも避難できなければどうなったのでしょうか。
その記事は下記です。
仕事上、利用者さんを守ることが使命ではあると思います。しかし、この低待遇で、
災害時、自分や家族さえも犠牲にするかもしれない可能性もある中で、職員は出勤したり、留まらなければならないのでしょうか。
私はこの低待遇でのやりがい搾取に疑問を呈したいと思います。
数年前の関東の障害者施設での殺人殺傷事件のあと、障害者施設では、不審者が侵入してきたとの想定の元、刺又を使った制圧訓練をしたと。下記に記しています。
私の率直な感想は、この低待遇の施設職員に侵入者から利用者さんを守る盾になれというのか・・・です。警察ではないよ、職員はです。
記事にあるように緊急通報装置は必要でしょう。しかし、国からの補助金が少ないほとんどの障害者施設では、そのような装置を設置することは非常に難しいでしょう。
私は守るべきはまずは自分自身であり、家族ではないかと思います。
昔のある医療関係のドラマで、首都直下型地震が起きたとの想定で、病院はどう機能したかを描写したシーンがありました。
ある医療関係者は、家族のことが心配だからといって、現場を離れていきました。
私もそのことはよくわかります。誰もそれを責めることはできないでしょう。
支援者、支援職はこの低待遇で、自分や自分の家族を犠牲にして、利用者さんを守らなければならないでしょうか。
私が勤務する施設は夜間対応はありませんが、仮に、勤務中に巨大地震が起きたとします。
利用者さん、職員の安全が確認できれば、私は管理職ではありますが、施設にとどまるか、避難場所に避難するか、それとも各自自宅に帰るかを決め、それが実行できれば、私は、家族のために自宅に帰ると思います。
ましてや、24時間、利用者さんや職員の安全を守るためにとどまるという選択肢は私にはありません。
ただ、誤解をなきようにしますが、普段の勤務時に、仮に利用者さんが急病などで病院に運ばれた場合は、救急車の手配等含め対応、家族が来られるまでは、立ち会います。それは管理職としての職務だと考えています。もちろんその場合は、残業もいとわないです。それは当然のことです。
しかしながら、自分自身が災害や不審者で危害が加えられるかもしれない状況の中で、利用者さんの盾になることはできません。
他の職員に対しても盾になるようなことは求めません。災害には出社しなくてもよいですし、危害を加える可能性ある侵入者の盾にならなくてもよいといいます。
私には先ずは守るべき家族がいます。私の命が失われれば、家族は路頭に迷います。
それは職員も同じです。
「利用者さんファースト」ではなく、「自分自身ファースト」を提唱したいと思います。
そういう意味で、警察官や救急関係者、自衛隊の方々など、命をかけて働く方々を尊敬します。決して高待遇とはいえないでしょうし、高待遇ならよいのかと思います。
実際に、私の友人は、自衛隊員として、東日本大震災が起こってすぐに、メルトダウンを起こした福島第一原発に、消防のために、入っていったといわれていました。
その私の友人には家族がいます。既婚者で子どももいます。
任務や使命のために、日本国を守るために、立ち向かった姿は、ことばで表すことができないほどの感謝です。
しかし、それは、障害者施設や福祉施設の経営者ではない一般職員が、職務のために命をとしてよいかということと同列には考えることができません。
管理職として、同僚にそこまでの自己犠牲を求めることはしません。
ある意味の「仕事だ」という割りきりがいります。雇用されているのは、例えば8:30~17:30までだと。そこで起こったことには対応しますが、危険を顧みず、ましてや命をかけてまではおかしいと思います
そのような問題提起をして2000字をこえましたので、第21回目を終わります。